セーフティライトカーテンとは? 知っているようで知らない基礎知識を解説

セーフティライトカーテンは、作業者の安全を守るための安全機器です。
今では当たり前のように使われていますが、一昔前の設備を見ると、人の侵入検知にエリアセンサなどの一般的な検出用センサが使われているケースも珍しくありませんでした。
しかし現在では、安全規格やリスクアセスメントの考え方が広く普及し、「安全用途には安全機器を使用する」という考え方が定着しています。
では、なぜセーフティライトカーテンでなければならないのでしょうか。
見た目だけなら、光を使って対象を検知するセンサに見えるかもしれません。しかし、その内部には一般的な検出用センサとは大きく異なる仕組みが備わっています。
今回は、セーフティライトカーテンの役割や仕組み、選定時に知っておきたいポイントについて解説します。
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セーフティライトカーテンとは ?
セーフティライトカーテンとは、投光器と受光器の間に複数の光軸を形成し、その光が遮られたことを検知して機械を安全停止させるための安全機器です。
主に以下のような設備で使用されています。
- 自動組立設備
- 搬送設備
- 包装機械
- パレタイザ
- ロボットシステム
安全柵のように物理的に侵入を防ぐのではなく、人が危険エリアへ侵入したことを検知し、設備を停止させることで安全を確保します。
なぜセーフティライトカーテンは安全機器なのか ?
一般的な検出用センサは、
- ワークの有無確認
- 通過検知
- 位置決め
などを目的として設計されています。
一方、セーフティライトカーテンは、作業者を危険から守ることを目的として設計されています。
そのため、求められるのは単に検出できることだけではありません。
例えば、ワーク検出用のセンサが故障した場合、
- ワークを見失う
- 設備が停止する
- 不良品が発生する
といった問題につながる可能性があります。
しかし、安全機器の場合は話が異なります。
もし作業者の侵入を検知できなかった場合、重大な労働災害につながる恐れがあります。
そのためセーフティライトカーテンには、
- 作業者の侵入を確実に検出できること
- 万一故障しても危険側へ動作しないこと
- 内部の異常を自ら監視し続けること
が求められます。
つまり、セーフティライトカーテンは単なる侵入検知センサではありません。
「人を守るために、万一故障した場合でも安全を維持できるよう設計された安全機器であること。」
これが一般的な検出用センサとの大きな違いです。

安全を支える自己診断機能
セーフティライトカーテンには、自己診断(セルフテスト)機能が搭載されています。
内部では、
- 投光回路
- 受光回路
- 制御回路
- 出力回路
などを常時監視しています。
万一、内部で異常や故障が発生した場合は、安全出力をOFFにして設備を停止させます。
これは一般的な検出用センサとは大きく異なる考え方です。
検出精度だけでなく、
「正常に動作できていることを常に確認する」
ことが安全機器には求められます。
普段は意識することの少ない機能ですが、セーフティライトカーテンが安全機器として成立する重要な仕組みの一つです。

「何を検出したいかで」 光軸ピッチが変わる
セーフティライトカーテンの選定で重要になるのが「光軸ピッチ」です。
光軸ピッチとは、隣り合う光軸同士の間隔のことを指します。
セーフティライトカーテンは単純に「人を検出する機器」ではなく、
「何を検出したいのか」
によって選定する機種(型式)が変わります。
「指」 検出タイプ
- 光軸ピッチ:10mm
- 最小検出物体:約φ14mm
指先が危険部へ到達する前に検出したい設備で使用されます。
「手」 検出タイプ
- 光軸ピッチ:20mm
- 最小検出物体:約φ25mm
手の侵入検出を目的とする設備で使用されます。
「腕・足」 検出タイプ
- 光軸ピッチ:40mm
- 最小検出物体:約φ45mm
腕や足の侵入を検出する用途向けです。
「人体」検出タイプ
- 光軸ピッチ:80mm
- 最小検出物体:約φ85mm
人体全体の侵入検出を目的とする用途向けです。
光軸ピッチが細かいほど小さな侵入を検出できますが、その分コストや設置条件にも影響します。
そのため、「最も高性能なものを選ぶ」のではなく、「設備に必要なレベルを選ぶ」ことが重要です。

意外と重要な 「有効開口角」
セーフティライトカーテンの仕様の一つに「有効開口角」があります。
有効開口角とは、投光器と受光器が完全に正対していない状態でも正常に検出できる角度範囲のことです。
一見すると、
「角度許容範囲は広い方が良いのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、安全用途では必ずしもそうではありません。
有効開口角が広すぎると、周囲の金属や設備からの反射光の影響を受けやすくなります。
そのため、安全用途向けのセーフティライトカーテンでは、反射光による誤動作リスクを抑えるために適切な有効開口角が設定されています。
仕様表では見落とされがちな項目ですが、安定した安全システムを構築するうえで重要なポイントの一つです。

安全柵との違い
設備の安全対策では、安全柵とセーフティライトカーテンが比較されることがあります。
【安全柵】
- 物理的に侵入を防止できる
- 高い安全性を確保しやすい
- 扉やゲートが必要
【セーフティライトカーテン】
- 光で侵入を検知する
- ワークの出し入れがしやすい
- 作業性や生産性を確保しやすい
そのため、人やワークの出入りが頻繁な設備では、セーフティライトカーテンが採用されるケースも多く見られます。
設置時に重要な 「安全距離」
セーフティライトカーテンは、設置すれば安全になるわけではありません。
重要なのは、
「人が危険部に到達する前に設備が停止できること」
です。
そのため、危険部からどれだけ離して設置するかを決める「安全距離」の考え方が必要になります。
安全距離は、
- 機械の停止時間
- 人体の接近速度
- セーフティライトカーテンの分解能
などを考慮して決定されます。
例えば停止時間の長い設備では、それだけ危険部から離して設置する必要があります。
逆に停止時間の短い設備であれば、比較的近い位置への設置が可能となります。
安全距離の詳細な計算方法については、ISO 13855などの規格に基づいて検討する必要があります。
本記事では概要のみのご紹介に留めますが、詳しく知りたい方はオムロンの安全知識資料なども参考にしてみてください。
まとめ
セーフティライトカーテンは、単に人の侵入を検知するためのセンサではありません。
作業者の安全を守るために、
- 自己診断機能
- フェールセーフ設計
- 安全出力
といった仕組みを備えた安全機器です。また、適切な機種を選定するためには、
- 光軸ピッチ
- 有効開口角
- 安全距離
といったポイントを理解することも欠かせません。
安全機器は「機械を止めるための機器」ではなく、「人を守るための機器」です。
設備の安全対策を検討する際は、機器単体ではなく、安全システム全体という視点で考えることが重要です。
とはいえ、安全規格やリスクアセスメント、安全距離の考え方などを含めて理解しようとすると、非常に奥が深く、1本の記事ですべてを説明することはできません。 ご相談
エフ・エー・アネックスでは、機械安全に関する基礎知識とリスクアセスメントの実践力を認定する
「セーフティサブアセッサ(SSA)」資格保有者が複数名在籍しています。
セーフティライトカーテンの選定はもちろん、安全柵やドアスイッチ、安全回路を含め、お客様の設備に適した安全対策という視点でご相談を承っています。
設備の安全対策をご検討の際は、お気軽にエフ・エー・アネックスへお問い合わせください。

